2024年の夏は様々なカメラを持って三岐鉄道三岐線を訪ねました。この記事では使用したカメラと設定をまとめつつ、撮影した写真をふり返ってみます。
三岐線について
三岐鉄道は三重県北部を走る鉄道で、三岐線と北勢線という2つの路線があります。
三岐線は沿線にあるセメント工場からセメントを運ぶのを主目的に作られた鉄道で、現在も貨物列車が走っています。
旅客列車には西武鉄道からの譲渡車が活躍しています。新旧の西武鉄道色を復刻した車両や旧三岐鉄道色といった、昭和の色の濃い車両を見ることができます。
三岐鉄道にはこの三岐線の他に、ナローゲージの北勢線もあります。両方に乗れる1日乗り放題パスを使うと、性格の異なる2つの路線をまとめて楽しむことができます。
使用機材と設定
カメラ・レンズ
メインカメラは使用順にペンタックスKP、ニコンZ fc、富士フイルムX-T30です。またサブカメラとしてリコーGRⅢを携行しました。
KPはレトロモダン的なデザインと、光学ファインダーで撮るのが楽しい一眼レフです(販売終了品)。私にとっては貴重な、望遠レンズでの撮影ができる機材でもあります。使用レンズではsmc版の43mm f1.9と50-200mm f4-5.6(非WR)です。
Z fcとX-T30はどちらもエントリー寄りのミラーレスカメラです。レトロな外観と操作系、そしてスペックや価格など、似通った特徴を備えています(X-T30は販売終了品)。Z fcには定番の16-50mm f3.5-6.3、X-T30には中級レンズの18-55mm f2.8-4を使用しました。
画質設定
参考までに、撮影時の主な画質設定項目です。
箇条書きの一番上の項目が、絵づくりにもっとも影響しています(メーカーごとに呼び方が違います)。この設定はいずれも各機種のもっとも標準的と思われるものを選択しました。
KP
- カスタムイメージ:ナチュラル
- 画質モード:ノーマル
- ホワイトバランス:マルチパターンオート
- ダイナミックレンジ設定:オート
Z fc
- ピクチャーコントロール:スタンダード
- 画質モード:ノーマル
- ホワイトバランス:オート
- アクティブDライティング:オフ
X-T30
- フィルムシミュレーション:スタンダード
- 画質モード:ノーマル
- カラークローム・エフェクト:強
- ホワイトバランス:オート
- ダイナミックレンジ:100
三岐線を撮る
それでは三岐線で撮った写真を見ていきます。ちなみにすべてカメラ内で生成したJPEG画像です。
保々・山城(KP)
近鉄富田から15分ほどの保々で下車しました。この駅は車庫のある運転拠点駅。ズラリと並んだ車両たちを見ることができます。
保々止まりの列車が車庫に引き上げていきます。
最近JR東海から譲渡された211系も留め置かれていました(富田にも数本ありました)。新参の中古車によって、元西武の車両たちは遠からず引退することになります。
やってきたのは旧西武鉄道色の赤電と呼ばれる塗装です。望遠レンズで新旧の一瞬の並びを捉えました。
一駅もどって山城で下車しました。構内のカーブがよい案配です。望遠レンズにクモリが出ていることも影響していると思いますが、やわらかい雰囲気の写真になりました。
田んぼ沿いの開けたポイントで後続の広告電車と赤電を撮影します。どちらも43mmを使用しました。同じ構図ですが、車両デザインが変われば風景の味わいも変わります(撮影の流れで露出補正値が異なっています)。
保々車庫(Z fc)
今回は保々の車庫を沿道から撮影しました。昭和的な色があふれています。背景の空が明るかったので露出補正をかけています。
紺と黄色の復刻三岐鉄道色。検査開けでピカピカでした。
赤電と青電?の並び。広角で空を入れるとさわやかな色あいになりました。
三岐鉄道色が青空に映えています。
伊勢治田(X-T30)
この日は伊勢治田ですれ違う新旧の西武鉄道色を撮影しました。
駅横の公道から、新しい方の西武鉄道色を撮影します。ややくすんだような黄色が特徴的です。
赤電がやって来て並びました。ノスタルジックな雰囲気が漂います。昭和の西武鉄道を撮った一コマのようです。
旧西武色が近鉄富田へ向かいます。
伊勢治田に到着する上り列車。Z fcとはまた違った空の色合いです。
余談ですが、伊勢治田は「いせはった」と呼びます。難読駅ですね。
おまけ(GRⅢ)
時間がない時にサッと撮るためにリコーGRⅢも携行しました。参考までに画像を載せておきます。50mm相当のクロップでの撮影、イメージコントロールはスタンダードです。
まとめ
最後に各カメラで撮った写真の個人的な印象をまとめます。
KPは使用レンズによる違いもあるのですが、このカメラを長年使ってきた私には、もっともスタンダードな画質と感じられました。
Z fcは鮮やかな絵づくりで、様々な車両を活き活きと表現してくれました。
X-T30の画質はローカル線の渋さを引き立てる印象です。
そしてサブカメラとしての使用でしたが、GRⅢの写真はクリアで印象に残りました。
カメラによる味わいの違いがなんとなく見えてきた、この夏の三岐線行でした。次の三岐線訪問ではどのカメラを持っていくのか考えるのも新たな楽しみとなりました。